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[眼科医用テーブル]
◎プロダクトデザイナー森俊憲がデザインした。眼科医用テーブルのプロダクトデザインのご紹介ページです。 ◎この仕事では長野の中野市まで車で通いました。途中の千曲川沿いの景色はすばらしくてちょっとした旅行気分でした。(笑) ◎でき上がった製品は好評だったようで、海外でも販売されています。 ◎この仕事で思ったのは、デザイナーというのは、作る側と使う側の両方の意見を聞いて、それを自分の中でうまくアレンジして、両方に喜んでもらえる答えを出すことなんだということでした。 |
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↓ということで提案した最初のプレゼンスケッチです。
◎まず考えたのは自分が患者になった時にどう感じるかでした。大きな機械なのでまず怖さを感じるのではないか。まずは不安を解消するようなデザインを考えました。全体に植物のような有機的で角のない丸みのある、やさしいデザインです。
◎医者の側からは動きやすい空間の確保と、好みの色やデザインへの対応、増えてくるデジタル機器にスマートに対応できるかどうか、などをポイントに全体をデザインしました。 ![]()
↓こちらはデザイン途中で確認用に作った1/10モデルです。
◎プレゼン内容を気に入ってもらい、本格的にデザインがスタートしました。
実際に中野市の本社まで出向き、製品を見せてもらい、できる所とできない所のレクチャーを受けたのち、何案かラフスケッチを出して検討しました。 ◎下は、イメージの検討用に作った、発泡スチロールと粘土でできた、1/10サイズのモデルです。この時はおおきなアールと楕円を基調とした丸みのある優しいデザインでした。 ![]()
↓こちらは電動テーブルの最終デザインです。
◎確認後、もう少しシャープな精密機械らしいイメージにしてほしいという意見があり、何回かデザインを修正してできたのが下のデザインです。
◎ラインを少しシャープにしてエッジを効かせ、楕円を基調にしていたのをアールをつないだ三角に変更しました。色もウォームグレイを入れてすこしクールな感じにし、ポイントカラーのライムグリーンを効かせました。 ![]()
◎写真をみて、まず感じたのまるでオフィス家具のように地味なデザインだなということでした。実際に使用されるのは明かりを暗くした部屋なのでこの方が良いのかもしれませんが、(つまり空間にとけこみ目立たない)。これでは、患者はいっそう気分が落ち込むのではないかと思いました。
◎もうひとつは機器の角張ったイメージとデザインの統一感のなさです。人が行き来する場所にあるわけですからもっと人の動線を考えてしなやかなラインでジャマにならないような形状にするべきではないかと思いました。 ◎この後、実際デザインを詰めていくと、いろいろな理由で、変更できない部分が多いことが判明してくるのですが、この時点では、知らない者の強みで、いろいろなアイデアが出てきました。(笑)逆にメーカー側にしてみれば、構造を知っているだけに最初にできない部分が見えてしまって、新しい考えができないということもあるではないでしょうか。
↓こちらは僕の方で描いた外観図面です。
◎デザイン承認後メーカー側で原寸試作をつくることになり提出した図面です。
◎プロダクトデザイナーと言いながら未だにCADを使えないので手描きの図面でした。 ![]()
↓もう一方のコントロール側のテーブルデザイン。
◎医者側のテーブルのデザインについては、大きな課題として、モニタなどのデジタル機器の接続をどうするかがあります。デジタル化に対応するということはテーブル周りのいろんな機器をいかにスマートに取り付けられるかが、ポイントになってきます。
そこで提案したのが、センターポールにコードを収納する案です。 このポールには自由に棚が取り付けられ、デジタル機器を好みで取り付けられます。 センターポールは新規にアルミの引き物で製作してもらうことになりました。 ◎下はそれらを組み込んでできた最終案です。 ![]() ![]()
◎知り合いになった地元のメーカーの方に紹介されて、信州中野にある眼科医療機器メーカー『株式会社タカギセイコー』様の製品をデザインしました。主力商品である「眼科医向けの電動テーブル」とその周辺機器のリニューアルデザインです。
全く経験のない業界の製品デザインで、果たしてうまくできるのだろうかという不安を抱えながらのデザイン作業でした。これはその製品が出来上がるまでのフリーデザイナーの苦闘の記録です。(笑)
↓これはいろんな機器をセットしたイメージです。
◎実際に使う眼科医のイメージは、若く、おしゃれで、デジタルのことの詳しく、世界中に知り合いがいて新しい研究の情報に詳しく、ちょっとオタクの気配もありつつ、文学作品等も好むような知性を持っている、アクティブな人。そんなイメージを勝手に描いてデザインしていました。(笑)
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↓こちらがアフターデザインの製品写真です。(カタログより)
◎図面を渡してからは、後はメーカー側で進められると言うことで、僕の仕事は終わったのですが、もう少し最後まで細かい所に関わりたかったと言うのが本音です。
コスト的なことはあったと思うのですが、細かい形状だとか、最終の色とか表面の素材感だとかは、やはりデザイナーの目で見ていけば、もっと完成度が高いものになったのではないかと思います。 ![]()
◎随分長くなってしまいましたが、ひとつの製品のリニューアルデザインでもこれだけのことが必要になって来るということをご理解いただけたかと思います。
ふだんはかわいいおもちゃのデザインが多いのですが、たまにこういう機械のデザインとかをやってみると、元々機械好きのせいもあるのか、結構自分に向いているような気がします。 また今回のようにその業界では門外漢だからこそ、わかることもあるし、これまでの既成概念がない分、大胆に変更もできるのではないかと考えます。
◎眼科医療機器 オフサルミックワークステーション
ST-80のリニューアルデザイン
◎こちらがデザインする前の製品写真です。
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